【和歌マニア(第90回)】★和歌で星よみ★ 第8回「射手座」

ろっこが十二星座にピッタリの歌人を月イチで紹介する和歌で星よみ! 今回は射手座です。チャレンジ精神が旺盛な歌人といえば、やはり源俊頼です! 知名度はイマイチですが、沢山の新風和歌を残しました。ろっこも吉三も大爆笑、和歌ラ...

思ひやれ真柴のとぼそ押しあけて一人ながむる秋の夕暮れ(後鳥羽院)

さて、連日三夕の名歌をご紹介してきたが、今日もしつこく秋の夕暮れをご紹介したい、後鳥羽院だ。『想像してみろ! 真柴のとぼそを押し開けて、俺は一人で秋の夕暮れを眺めているのだぞ』。「とぼそ」とは「枢」と書く、まあ要するにボ...

和歌という行為の本質、「いろは歌」と「三法印」

いわゆる「歌の父母」をご存知でしょうか? 紀貫之は古今集の仮名序に「難波津」と「安積山」を挙げ、歌の父母でありまた書の手習いとしても定番であると記しています。今でも「難波津」は百人一首(競技かるた)の序歌として親しまれて...

見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ(藤原定家)

三夕のトリは定家の夕暮れである。おそらく三首のうちでもっとも知られているのがこれだ。言葉だけを追えば『何もない粗末な風景の方が情趣がある』といういわゆる「わび・さび」の表明であり、この「あるがままの美」がわび茶の方面で多...

詩歌の変遷と「令和和歌所」が目指す地平

上の図表に日本詩歌の変遷をざっくりと整理していますので、まずご覧ください。 そのうえで、私が理解する要点を以下に三つ挙げます。 ・万葉集、古今和歌集から始まった日本の詩歌文芸は、元禄時代の松尾芭蕉によってその道の頂点に到...

さびしさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕暮れ(寂蓮)

『寂しさってのは、その色とは無縁であった。真木立つ山の秋の夕暮れよ』。言わずもがな、三夕(さんせき)の誉れ高い寂蓮の一首である。秋の夕日に照る山紅葉は深い情趣を誘う、しかし心の琴線に触れていたのは色ではなく「夕暮れ」その...

秋ちかう野はなりにけり白露のおける草葉も 色かはりゆく(紀友則)

一見すると単に「白露」の歌かと思うかもしれない。しかしそうではない、今日の歌にも秋の七草が詠まれている。わからない方にヒントを出すと、詠まれているのは「桔梗」だ。それでもわからない? 仕方あるまい、答えを披露しよう。初か...

なに人かきて脱ぎ掛けし藤袴くる秋ごとに野辺を匂はす(藤原敏行)

和歌に登場する景物はその類型化が徹底している。これまでご紹介した「女郎花」や「薄」などによっても、それが如実に分かったはずだ。「藤袴」の場合、名前と特徴がそれを決めている、つまり着物の「袴」とポプリにした強い「芳香」を詠...