令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、神無月)

会の概要 和歌を詠んで書く。これこそが伝統的な日本文化の真髄であり、わび茶も凌駕する総合芸術です。 「和歌」とは四季折々の自然そして古の歌人と心が通じたときに漏れるため息。この刹那の感動をかろうじて留めようという行為が「...

空清く月さしのぼる山の端にとまりて消ゆる雲のひとむら(永福門院)

今日の詠み人は永福門院。何気ない日常の風景も、ひとたび彼女にカットされれば見たこともない多様な色彩が潜んでいたことに気づかされる。しかし今日の歌はどうだろう、月と雲の馴染みが悪くいつも見られた繊細な色合いが浮き出てこない...

衣手は寒くもあらねど月影をたまらぬ秋の雪とこそ見れ(紀貫之)

昨日のがいかにも定家だとしたら、今日のはいかにも貫之だ。『着物の袖は寒くないけど、月の光は積もらない秋の雪のように見える』。白々とした月明かりを雪に見立てる古今的常套句、「衣手は寒くあらねど」という理知的発想が甚だわざと...

さむしろや待つ夜の秋の風ふけて月をかた敷く宇治の橋姫(藤原定家)

『筵を敷いて待つ夜は更けて風も冷たい、月を慰めに独り寝する宇治の橋姫』。これぞまさに定家というような一首だ。言うまでもなく歌は「橋姫伝説」を下敷きにしている、嫉妬に狂った女が鬼になるあれだ。しかし今日の歌でも分かるように...

鳰の海や月の光のうつろへば波の花にも秋は見えけり(藤原家隆)

月の美しさはこのようにも表現できるのか、藤原家隆である。月の光が色づく、これだけでも耳をくすぐる描写であるが、それが浪の花つまり白浪に映り、その色に秋を見つける。風景を鮮やかに移しながら、その残像を重ねて描く幽玄の世界。...

→令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、長月)9/22(日)9:50~11:50