月を見つめた天皇 ~三条院の悲劇と和歌~
三条院(67代天皇)は、冷泉天皇の第二皇子として誕生しました。幼少期に母を亡くし11歳で立太子されるも、即位まで25年ものあいだ皇太子として過ごします。一条天皇から譲位されてようやく天皇に即位しますが、藤原道長との権力闘...
三条院(67代天皇)は、冷泉天皇の第二皇子として誕生しました。幼少期に母を亡くし11歳で立太子されるも、即位まで25年ものあいだ皇太子として過ごします。一条天皇から譲位されてようやく天皇に即位しますが、藤原道長との権力闘...
「もみぢ」を現代ではほとんど「紅葉」と記します。しかし古代の詩集である『万葉集』においては、「黄葉」という表記が圧倒的に多く使われ、赤い紅葉を指す表現はほとんど見られません。 「秋山の黄葉を茂み惑ひぬる妹を求めむ山道知ら...
「月は隈なきをのみ見るものかは」とは言わずもがな、かの兼好法師が「徒然草」に残した名言です。ようするに「お月さまはくっきり見えるのだけがいいんじゃないよ」ということで、中世のわびの精神が端的にあらわれていると評価されてい...
和歌に歌枕は数えきれないほどありますが、詠まれた回数でもそして歴史的にも最重要といえばここではないでしょうか? 「吉野」です。 現在、吉野山といえば世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一角としてその名が知られますが、知名...
今日は七夕。皆様、願い事はしましたか? 古代より、七夕は日本人にとって大切な行事の1つ。 今回は、そんな七夕の歴史を振り返りながら、和歌におけるイメージの広がりを鑑賞していきましょう! 七夕の由来 七夕は日本古来の行事や...
桜花は勅撰和歌集の春の後半(春下)をほぼ独占し、それはそのまま日本を象徴する花となりました。開花が迫れば「桜前線」の予報はお茶の間を賑やかし、咲いてみれば学校や並木道はもちろん近所の公園や路地までも、我も我もと誇ってみせ...
古来より歌人たちは「四季」に深い関心を寄せてきました。古今和歌集をはじめ歴代の勅撰集の巻頭が「春部」から始まる構成をとっていることが、これを雄弁に物語っています。 ところでこの「春」って季節、いつからはじまると思います?...
秋の歌には心に沁みる名歌が多いと思いませんか? 個人的には童謡の「まっかな秋」や「紅葉」などを聞くと、幼少時の思い出も重なって強い哀愁に襲われます。実はこれらの多くの秋の名歌にはある共通点があります。いずれも「秋の夕暮れ...
春の花といえば? と問われれば、多くの人が「桜」、次点で「梅」を挙げることでしょう。 では秋の花といえば? 「萩」や「女郎花」、「尾花(すすき)」など秋の七草もあれば、重陽の節句に欠かせない「菊」の花もありますね。 →関...
突然ですが「スルメ歌(曲)」をご存知でしょうか? 聴けば聴くほど味わい深くなる楽曲という意味です。 和歌にもそんな歌があります。聴くならぬ「菊」の歌です。 基本的に和歌で歌われる花、例えば春の「桜」や秋の「萩」などは移ろ...
最近ちょっとした「中年ワキ役」ブームです。 見た目こそ花はありませんが、円熟した演技は作品の柱となり主役さえも食ってしまう。 そんな名ワキ役たちに注目が集まっています。 実は和歌にもバイプレーヤー(名ワキ役)的存在がいま...
古典文学的季節感において、春の訪れを知るのは「うぐいす」であり、夏のそれは「ほととぎす」でした。では「秋」を知るものは何か? →関連記事「梅と鶯のアヤシイ関係」 →関連記事「古今和歌集に「ほととぎす」あり」 それはなんと...
秋といえばやはり「お月見」ですよね。旧暦八月十五夜の月は「中秋の名月」ともてはやされ、古来より日本人に親しまれてきました。 ただこの「お月見」、楽しみ方には少し注意が必要です。今年の中秋の名月はいつだろう? と調べるとか...
月は身近でありながら不思議がいっぱいです。 例えば「月面」。 月は地球に対していつも同じ面(餅をつく兎)を見せています。理屈はこうですよね、月の自転と公転周期が同じ(27.32日)だから。でもなにゆえ、これが完全一致して...