【百人一首の物語】二十三番「月みれば千々にものこそ悲しけれ我が身ひとつの秋にはあらねど」(大江千里)

二十三番「月みれば千々にものこそ悲しけれ我が身ひとつの秋にはあらねど」(大江千里) 念のため断っておくが千里は「ちさと」と発する。間違って「せんり」などと読めば格好悪いふられ方をされてしまうやもしれんのでご注意いただきた...

【百人一首の物語】二十二番「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ」(文屋康秀)

二十二番「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ」(文屋康秀) 「和歌」というと大抵の人間が貴族の雅な恋愛や美しい四季への真心のみで仕上がっているかのように捉えている。ちまたの指南書がそのように喧伝している...

【百人一首の物語】二十一番「今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな」(素性法師)

二十一番「今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな」(素性法師) 素性法師の父はあの僧正遍照、桓武天皇の曾孫にあたり確かな血統ゆえ殿上人にまで昇る。しかし父の助言もあって若くして出家、その後は「歌」をつうじ...