【百人一首の物語】二十番「わびぬれば今はた同じ難波なるみをつくしても逢はむとぞ思ふ」(元良親王)

二十番「わびぬれば今はた同じ難波なるみをつくしても逢はむとぞ思ふ」(元良親王) 悲劇の貴公子、その最後を飾るのが二十番の元良親王だ。父は陽成院、譲位の七年後に生まれた第一皇子であったが、皇統が光孝系に移ったためその地位に...

【百人一首の物語】十九番「難波潟みじかき芦のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや」(伊勢)

「難波潟みじかき芦のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや」(伊勢) 伊勢守従五位上藤原継蔭の娘、それが十九番の伊勢です。女流がとぼしい古今和歌集において小町を上回る二十三首が採られ、その歌風は“貫之よりも貫之らしい”と...

【百人一首の物語】十八番「住の江の岸による波よるさへや夢のかよひ路人めよくらむ」(藤原敏行朝臣)

十八番「住の江の岸による波よるさへや夢のかよひ路人めよくらむ」(藤原敏行朝臣) 名うての貴公子が連なる十番台において突如謎の男が現れた、藤原敏行である。ちなみに業平にもあった「朝臣」だが、これは天武天皇が制定した八色の姓...

【百人一首の物語】十七番「ちはやふる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」(在原業平朝臣)

十七番「ちはやふる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは」(在原業平朝臣) 在原業平は行平の弟、色好みで知られ… などとやりだすときりがないのでここでは百人一首歌に絞って話をさせてもらう。 凡作撰百人一首において、...

【百人一首の物語】十六番「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む」(中納言行平)

十六番「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む」(中納言行平) 中納言行平、実名を在原行平という。高貴な出自も祖父平城上皇が薬子の変により出家、父も連座して太宰府に左遷となり、九歳には臣籍に下る。弟に業平...