「和歌」を鑑賞する価値


和歌を鑑賞する価値とは何か?
これが今回のテーマです。

前提として「和歌」という言葉ですが、私はこれを現代の「短歌」に対する言葉として扱っています。
ただ、和歌には“五七”の繰り返し数により「長歌」や「旋頭歌」といった形式もあり、元来「短歌」とはその最も短い形式(三十一文字)を指したもので、正確には「和歌」は「短歌」の上位概念となります。
ところが、短歌の秀歌集である初代勅撰集は古今“和歌”集と名付けられています。これは古今“短歌”集でもよかったのかもしれませんが、当時の歌人はそうはしなかった。なぜなら、そもそも「和歌」というネーミングが、「漢詩」に対する日本の詩歌という対立性を持って生まれた言葉であったため、自ずと日本史に輝く初代勅撰集は「古今和歌集」と成ったのです。
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野分の風

昨日9月4日、非常に強い台風21号が列島を通過し各地に甚大な被害をもたらしました。
なんと関西国際空港では、最大瞬間風速58.1m/sを記録したそうです。
なんだか今年は台風が多いような気がしますね、、
それもそのはず、気象庁によると統計が残る1951年以降、71年に次ぐ2番目のハイペースで発生しているそうです。

さてこの「台風」、古くは「野分(のわき)」と呼ばれていたことをご存知でしょうか?
古典好きのみなさまのことです、そんなことはもちろん「野分」という言葉に、きっとこのワンシーンまでも思い起こされることでしょう、「源氏物語」第二十八帖『野分』です。

ある野分の日、夕霧(源氏の息子)は父の居館を訪れます。
あいにく父は留守だったのですが、開いていた妻戸の隙間からとんでもないものを目にしてしまいます。
それは継母でありながら、長年遠ざけられてきた「紫の上」です。
その時の様子が、、

「御屏風も風のいたく吹きければ、押し畳み寄せたるに見通しあらはなる。
廂の御座にいたまへる人、ものにまぎるべくもあらず気高く清らにさと匂ふ心地して、
春のあけぼのの霞の間よりおもしろき樺桜の咲き乱れたるを見る心地す」
源氏物語(野分)

普段はしっかり屏風を立てその存在を隠していたのでしょう。
しかし、この日は野分の風が強かったため屏風を畳んでいたんですね。
そこで偶然継母を目にして「春の曙の霞の間から、樺桜が咲き乱れているのを見る気持ち」だったというのです。

秋にもかかわらず「春の霞の間の蒲桜」、さすが春の女王と評される紫の上!
なるほど実の息子である自分を遠ざける訳だ、と夕霧も納得してしまう、紫の上とはどれほどの美しさだったのか?
想像が掻き立てられる、源氏物語の中でも特に印象的なワンシーンです。

台風もこんな風情を演出してくれるのなら歓迎ですが、
最大瞬間風速58.1m/sではそんな余裕はまずなさそうです。

(書き手:和歌DJうっちー)

【和歌マニア(第68回)】怪人「ワカマーニ」参上! 小式部内侍の歌のナゾを解け!!

謎の怪人「ワカマーニ」が現れた! 今回は百人一首でお馴染み、和泉式部の娘でもある小式部内侍の名歌「大江山…」からの出題、あなたはこの謎が解けるか!? ろっこのマル秘ラブレターエピソードもあるよ♪
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【和歌マニア(第67回)】日本文化の最重要ワード「わぶ(わび)」を知る!


和歌にはたくさんのネガティブワードが詠まれます、その代表格が「わぶ」。今回は日本文化の最重要ワードとも言える「わぶ(わび)」ネタに盛り上がります! ろっこ曰く、日本語と英語は真逆の言語、英語の悲哀はだいたい「sad」でカバーできる!?
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「古典であそぼう」和歌と古典文学をまなび、語らう会【歌会・和歌教室】(銀座)


百人一首に古今和歌集、伊勢物語に源氏物語! 古典文学や日本文化が大好きなみなさまへ、
平成和歌所では、和歌や古典文学をたのしく学びながら、ご参加者さま同士で古典愛を語りあうイベントを開催しています。
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百人一首に採られなかったすごい歌人! 女性編(大伴坂上郎女、俊成卿女、宮内卿)


百人一首は和歌のベストではないにせよ「歌人のベスト」ではあると、以前ご紹介しました。
→関連記事「百人一首はなぜつまらないか(百人一首その1)

ただそれでも、
「伊勢の海、清き渚の玉は、拾ふとも尽くることなく…」(「新古今和歌集」仮名序より)
ではありませんが、百人一首に採られていなくとも、素晴らしい歌人はいくらでもいます。

というわけで、残念ながら百人一首には採られませんでしたが、
個人的に大好きな歌人を男女三名ずつご紹介しましょう!
今回はその「女性編」です(百人一首にならい、八代集に採られている歌人を対象としました)。
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【和歌マニア(第66回)】★和歌で星よみ★ 第3回「双子座」


ろっこが十二星座にピッタリの歌(歌人)を月イチで紹介する和歌で星よみ! 今回は牡牛座です。牡牛座の特長はおしゃべり&二面性、そんなイメージ歌人は? なんと、うっちーが紹介するのは和泉式部! 双子座と和泉式部の面白エピソードをお聴き下さい!
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絶句連歌「天の川」


去る7月22日に催した「古今伝授と連歌(水無月の会)」において仕上がった、絶句連歌をご紹介します。
※「絶句連歌」とは、漢詩の絶句さながらに「起」「承」「転」「結」の四句からなる、平成和歌所オリジナルの連歌形式です。基本的な付け方、転じ方は連歌の心そのままに、気軽に楽しめるのが特徴です。
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【和歌マニア(第65回)】身を知る雨! 和歌で知る平安のジンクス


「茶柱が立つと良いことが起こる」のようなジンクス、誰でも一つや二つありますよね。今回は和歌で知る平安のジンクス特集です。下紐が解けると、、平安女性はエロかった?! うっちーも勉強になる、やはり女心はろっこに聞け!
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百人一首に採られなかったすごい歌人! 男性編(山上憶良、花山天皇、源頼政)


百人一首は和歌のベストではないにせよ「歌人のベスト」ではあると、以前ご紹介しました。
→関連記事「百人一首はなぜつまらないか(百人一首その1)

ただそれでも、
「伊勢の海、清き渚の玉は、拾ふとも尽くることなく…」(「新古今和歌集」仮名序より)
ではありませんが、百人一首に採られていなくとも、素晴らしい歌人はいくらでもいます。

というわけで、残念ながら百人一首には採られませんでしたが、
個人的に大好きな歌人を男女三名ずつご紹介しましょう!
今回はその「男性編」です(百人一首にならい、八代集に採られている歌人を対象としました)。
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【和歌マニア(第64回)】「絶句(漢詩)」と「絶句連歌」を楽しもう!


絶句とは起・承・転・結の4句からなる漢詩体。これをアレンジした平成和歌所オリジナルの連歌、その名も「絶句連歌」をご紹介します。ろっこは漢詩も大好き! 「春眠暁を覚えず」でお馴染み「春暁」にシビれまくりです。
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見えるか? 天の川

去る6月29日、関東地方では早くも梅雨明けとなりましたが、これは平年より22日も早かったそうです。
しばらく猛暑日が続きましたが、一転今日は叩きつけるような激しい雨、
不安定な天気が続いているなか、明日7月7日はみなさまお待ちかねの「七夕」です!

173「秋風の 吹きにし日より 久方の 天の河原に たたぬ日はなし」(よみ人しらず)

これは古今和歌集で読まれた七夕(天の河原)の歌ですが、少し違和感がありませんか?
7月7日は「夏」のはずなのに、なぜか「秋風」が合わせて読まれています!

まあお分かりだとは思いますが、これは現在と使ってる暦が違うからですね。
和歌はもちろん旧暦(太陰太陽暦)で、その1~3月を春、4~6月を夏、7~9月を秋、10~12月を冬に分類します。
ですので7月7日は初秋、本来七夕とは涼しい風が吹き始めた頃に催されるイベントだったのです。
ちなみに今年(2018年)の旧暦7月7日は新暦の8月17日にあたります。
同じ行事でもおよそ一ヶ月半も違うのですから、合わせ詠まれる叙景が違って当然ですね。

このように古典文学を鑑賞していると、現在とは異なる慣行に違和感を覚えることは沢山あります。
かといってこれが、古人との交流の妨げにはなりません。
なぜって持ち合わせている「心」は変わっていないのですから。

古今和歌集には7月6日に詠まれたこんな歌があります。

■詞書:七月六日七夕の心をよみける
1014「いつしかと またく心を 脛(はき)にあけて 天の河原を 今日や渡らむ」(藤原兼輔)

待ちわびちゃって、裾をまくって今日にも天の川を渡りたい!
牽牛の気持ちを代弁したユニークな歌ですが、
年に一度のイベントを前にしてウキウキしちゃうのは今も昔も変わらないのです。
さて明日、みなさまに素敵な夜空が見えることを祈っております。

(書き手:和歌DJうっちー)

【和歌マニア(第63回)】天の川だけじゃない、和歌で詠まれた「恋の川」特集♪


もうすぐ七夕! 今回は「天の川」ならぬ和歌に詠まれる「川」特集をお送りします。実は和歌なかでも恋の歌では川が合わせて詠まれることが多いのです。ろっこ節炸裂! 男はもっと恋をしろ。デートで星見に行きた~い♪
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【歌会・和歌教室】(銀座)「はじめての古今伝授と連歌会」文月の会

■概要

和歌の基本を学び、それを連歌遊びで披露するワークショップ形式のカジュアルな歌会、それが「はじめての古今伝授と連歌会」。
日本文化ツウも初心者も、和歌や古典文化が好きであれば誰でも楽しめます♪
今月のテーマは「七夕」。
文月にも掛けて、今回は「短冊」に自作句をしたためてみましょう。
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