松の葉の白きをみれは春日山こもめもはるの雪ぞふりける(源実朝)

松の葉にかかる白いものを見ると、あぁ春日山に春の雪が降っているなあ。木の芽も張って。という歌である。芽が「張る(つぼみが膨らむ)」と「春」の掛詞が見えるが、ほとんど凡庸な歌である。ところでこれには本歌がある。「霞たちこの...

春の和歌まつり「第一回 春あわせ」(池上梅園)

来たる2019年2月16日、和歌所恒例の和歌祭を開催します。 今回のテーマはずばり「春あわせ」! 歌はもちろん書画、写真、音楽など、「春」を題材とした自他の作品をご紹介ください。 春の情景が印象的な古典のワンシーンなんか...

さはに生ふる若菜ならねどいたづらにとしをつむにも袖はぬれけり(藤原俊成)

沢に生える若菜ではないが、むだに年をつむ(摘む、積む)ほどにこの袖は濡れちまったよ。どこのジイさんの歌だろうか? 実はだれあろう、定家の父、藤原俊成である。新古今に採られた歌だが、息子の耽美な歌と比べるとどうにも野暮った...

はるの野にすみれつみにと来しわれぞ野をなつかしみひと夜ねにける(山部赤人)

古今集と新古今集には300年の間隔があるが、そこに文化違いはほとんど見られない。しかし古今集と150年の間隔しかない万葉集との間には、人間が違うんじゃないかと思うほどの隔たりが見られる場合がある。その主な現象が言葉であっ...

やまざくら霞のまより ほのかにも見てしひとこそ恋しかりけれ(紀貫之)

似ている。。「山桜」を「若菜」に、「霞」を「雪間」に置き換えてみてほしい。昨日紹介した忠岑の歌と全く同じ構成ではないか。しかしそれでいて、歌から受ける印象は異なる。それが効いているのは「山桜」であろう。この貫之の垣間見の...

かすがのの雪間をわけておひいでくる草のはつかに見えしきみはも(壬生忠岑)

恋がはじまる季節といえばいつだろう。情熱燃え盛る夏、感傷深まる秋、ゲレンデのアバンチュール冬。どれも違う。どう考えたって春じゃないか。この歌は春、運命的な女性との出会いのシーンをとらえた歌だ。雪の間から生えくるあの若草の...

【和歌マニア(第74回)】ろっこのスリランカ紀行&睦月の歌をご紹介

帰ってきた和歌マニア! って終わってないんですけどね、、とにかく久しぶりの放送です。実はろっこ、スリランカに行っていました。そこで出会ったスリランカ美人や仏教の話をしちゃいます。もちろん、和歌の話も、今回は一月に和歌所で...

ひき別れとしはふれどもうぐひすの巣たちしまつのねを忘れめや(明石の姫君)

昨日ご紹介した歌は母(明石の君)からの贈答歌であったが、これはその娘(明石の姫君)からの返歌である。ちなみに両歌とも主題は「まつ(松と待つ)」である。よって縁語として「引く」が得られるのだが、これは当時の貴族が年始の初子...

年月をまつにひかれてふる人にけふうくひすの初音きかせよ(明石の君)

初音といえばミクだろう、まったく同意する。しかし、こと古典に至っては違うものを連想しなければならない。それが源氏物語で詠まれたこの「うぐいすの初音」歌である。春を心待ちにする歌の裏に、出自の貧しさゆえに実の娘に合うことが...

→「ろっこの和歌Bar(7月の夜会)」7/24(水)19:30~22:00