和歌の鑑賞ポイント(上級編)〜新古今和歌集、見えないものを見る〜

先日「和歌の鑑賞ポイント」として、主に「古今和歌集」の楽しみ方をご紹介しました。
和歌の味わい方が、きっと広がったと思います。
→関連記事「和歌の鑑賞ポイント 〜古今和歌集の楽しみ方〜

でも和歌の素晴らしさはこんなもんじゃありません。
「新古今和歌集」です。

万葉、古今はいつの日か。
六代の勅撰集と源氏物語を経て、鎌倉時代の初頭には和歌は磨き抜かれた芸術に高められました。藤原定家や良経の溜息が漏れるような象徴歌、これを知らないなんてもったいないとしか言いようがない!
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いい歌とは? 和歌が生む「美しさ」を知る

和歌において、いい歌とはどんな歌か?
答えをシンプルに言うと、、 いいと感じた歌が「いい歌」なのです!
すみません、身も蓋もないですね……

しかし和歌(短歌)は三十一文字というわずかな字数で生産されるがゆえに、
ほとんどの解釈を観賞者にゆだねることになるため、このような答えにならざるを得ないのです。
短歌や俳句が「第二芸術」と揶揄されるのもやむなしです。
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ML玉葉集 冬部(神無月)

平成和歌所では、ML(メーリングリスト)で詠歌の交流を行なっています。
花鳥風月の題詠や日常の写実歌など、ジャンル不問で気の向くままに歌を詠んでいます。
参加・退会は自由です、どうぞお気軽にご参加ください。
→「歌詠みメーリングリスト

今月の三首

「黒髪は風にまかせて梳づらむ 夜行バスゆくコスモスの道」
「サクサクサク音に驚き飛び立てる 落ち葉に紛る雀の子らや」
「ふるさとのはつ雁がねのとほければ おもひまさりて秋は過ぐらむ」
「月残る彼誰時に落ち葉掃く 息は薄っすら白くなりけり」
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「京極派」と「勅撰集の歌風」

このサイトのタイトルに添えた「京極派」。
今回は京極派に込めた思いを、和歌の「歌風」の変遷とともにご紹介します。

まず「京極派」ですが、これは鎌倉時代に興った和歌の流派の一つです。
開祖は「京極為兼」。その祖父は「藤原為家」ということは、、、そうです為兼の曽祖父はかの「藤原定家」、その上には「藤原俊成」が座する和歌史における一大ブランド、御子左家の流れを継いでいるのが京極派なのです。
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【和歌マニア(第72回)】長月の歌合。和歌所の歌会で詠まれた歌をご紹介!


平成和歌所では毎月、季節にあった題で和歌を詠む「歌会」を行っています。今回は9月のお題「月、虫、菊」の中から、素敵な4首をご紹介します。初心者とは思えない詠みぶりにろっこも感動。これは艶書(恋歌)歌合をやるしかない!
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初春の和歌文化祭「第一回 春あわせ」(池上梅園)

来たる2019年1月27日、和歌所恒例の和歌文化祭を開催します。
今回のテーマはずばり「春あわせ」!

自作の和歌はもちろん、初春を歌った名歌や書画、写真、音楽など、
みなさまとっておきの「春」を持参いただき、左右チームに分かれて合わせ(プレゼン合戦)を楽しみましょう。
残念ながら「いい感じの春がない」という方は、「念人(おもいびと)」としてチームを応援してください。

場所は梅の花薫る「池上梅園」! 春の訪れを心と体で存分に楽しみましょう。
【始めての方大歓迎です! 古典文化・文学ファンで集まって楽しんでいますので、どうぞお気軽にご参加ください】
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【和歌マニア(第71回)】雁、鶯、時鳥、鴫… 和歌のバードウオッチング!

和歌には季節ごとに特定の鳥が詠まれます。春は鶯、夏は時鳥そして秋といえば雁&鴫! 今回は中でもおもしろい詠まれ方がされる「雁」を中心に歌とその生態に迫ります。これはさしずめ和歌のバードウオッチング♪
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【和歌マニア(第70回)】★和歌で星よみ★ 第4回「蟹座」


ろっこが十二星座にピッタリの歌(歌人)を月イチで紹介する和歌で星よみ! 今回は蟹座です。家族や人との縁を大切にするマイホームパパ、ってそんな歌人いる!? いるんです! その名は藤原俊成、定家パパのほのぼのエピソードをご紹介します。
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「歌よみに与ふる書」を読み解く。そしてますます子規を好きになる。

何を隠そう、私は正岡子規の大ファンです。
子規といえば俳句雑誌「ホトトギス」や短歌結社「根岸短歌会」を起こし、近代日本の詩歌文芸の礎を築いた偉大なる俳人、歌人として知られています。

作品は知らなくても、坊主で横顔の肖像写真はきっと誰もが見たことがありますよね? あの無愛想な写真からは一見近づきがたい印象も受けるのですが、最初に彼を知ったのが「坂の上の雲」(司馬遼太郎)で描かれる愛嬌たっぷりの「のぼさん」であったため、私は自然と子規に愛着を抱くようになりました。

正岡子規は多くの歌を残しましたが、実のところ私は歌よりも彼のエッセイや批評の方が好きです。青春時代をイキイキとつづった「筆まかせ抄」や、臥してなお文学に情熱を絞る「墨汁一滴」などは何度も読み返しても飽きません。
中でも傑作なのが、今回取り上げる「歌よみに与ふる書」です。
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「和歌」を鑑賞する価値


和歌を鑑賞する価値とは何か?
これが今回のテーマです。

前提として「和歌」という言葉ですが、私はこれを現代の「短歌」に対する言葉として扱っています。
ただ、和歌には“五七”の繰り返し数により「長歌」や「旋頭歌」といった形式もあり、元来「短歌」とはその最も短い形式(三十一文字)を指したもので、正確には「和歌」は「短歌」の上位概念となります。
ところが、短歌の秀歌集である初代勅撰集は古今“和歌”集と名付けられています。これは古今“短歌”集でもよかったのかもしれませんが、当時の歌人はそうはしなかった。なぜなら、そもそも「和歌」というネーミングが、「漢詩」に対する日本の詩歌という対立性を持って生まれた言葉であったため、自ずと日本史に輝く初代勅撰集は「古今和歌集」と成ったのです。
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野分の風

昨日9月4日、非常に強い台風21号が列島を通過し各地に甚大な被害をもたらしました。
なんと関西国際空港では、最大瞬間風速58.1m/sを記録したそうです。
なんだか今年は台風が多いような気がしますね、、
それもそのはず、気象庁によると統計が残る1951年以降、71年に次ぐ2番目のハイペースで発生しているそうです。

さてこの「台風」、古くは「野分(のわき)」と呼ばれていたことをご存知でしょうか?
古典好きのみなさまのことです、そんなことはもちろん「野分」という言葉に、きっとこのワンシーンまでも思い起こされることでしょう、「源氏物語」第二十八帖『野分』です。

ある野分の日、夕霧(源氏の息子)は父の居館を訪れます。
あいにく父は留守だったのですが、開いていた妻戸の隙間からとんでもないものを目にしてしまいます。
それは継母でありながら、長年遠ざけられてきた「紫の上」です。
その時の様子が、、

「御屏風も風のいたく吹きければ、押し畳み寄せたるに見通しあらはなる。
廂の御座にいたまへる人、ものにまぎるべくもあらず気高く清らにさと匂ふ心地して、
春のあけぼのの霞の間よりおもしろき樺桜の咲き乱れたるを見る心地す」
源氏物語(野分)

普段はしっかり屏風を立てその存在を隠していたのでしょう。
しかし、この日は野分の風が強かったため屏風を畳んでいたんですね。
そこで偶然継母を目にして「春の曙の霞の間から、樺桜が咲き乱れているのを見る気持ち」だったというのです。

秋にもかかわらず「春の霞の間の蒲桜」、さすが春の女王と評される紫の上!
なるほど実の息子である自分を遠ざける訳だ、と夕霧も納得してしまう、紫の上とはどれほどの美しさだったのか?
想像が掻き立てられる、源氏物語の中でも特に印象的なワンシーンです。

台風もこんな風情を演出してくれるのなら歓迎ですが、
最大瞬間風速58.1m/sではそんな余裕はまずなさそうです。

(書き手:和歌DJうっちー)

【和歌マニア(第68回)】怪人「ワカマーニ」参上! 小式部内侍の歌のナゾを解け!!

謎の怪人「ワカマーニ」が現れた! 今回は百人一首でお馴染み、和泉式部の娘でもある小式部内侍の名歌「大江山…」からの出題、あなたはこの謎が解けるか!? ろっこのマル秘ラブレターエピソードもあるよ♪
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