辞世の歌 その13「願はくば花の下にて春死なむその如月の望月のころ」(西行法師)

あまたの辞世の歌のなかでも、もっとも知られるのがこの一首だろう。もしも願いが叶うなら春の桜の下で死にたい、二月の満月のころに。二月(旧暦)の十五日は釈迦入滅の日であり、花と月は西行が生涯追い求めた数寄の象徴でもある。すな...

辞世の歌 その12「無覚の聖衆来迎空に満つ」(空也上人)

語り継ぎたい辞世として、今回は歌ではなく句をご紹介します。平安中期の僧侶、空也上人の辞世の句です。 空也上人は「市上人」とも呼ばれ、民衆に向けて仏教を説いてまわった、当時としては稀なお坊さんです。もしかしたらその伝承より...

辞世の歌 その11「誰か世にながらへて見る書きとめし跡は消えせぬ形見なれども」(紫式部)

この歌、紫式部の辞世歌として喧伝されていますが本当でしょうか? 採られた新古今の詞書を見ると「上東門院小少将(藤原彰子の女房)が亡くなって後、彼女と交わした文を見て詠んだ」とあり、歌の「書とめし跡」は紫式部のそれ限らない...

辞世の歌 その10「生くべくも思ほえぬかな別れにし人の心ぞ命なりける」(和泉式部)

和泉式部といえば恋多き、奔放な女性として知られています。時の権力者藤原道長からは「浮かれ女」と評され、同僚である紫式部には「和泉はけしからぬ方こそあれ」などと記される始末。それはやはり橘道貞の妻だったにもかかわらず、冷泉...

「縁語」は和歌を和歌たらしめるいわば土台となる超重要な言葉。縁語の基本、見分け方また詠み方を歌例を用いてご紹介します(歌塾ダイジェスト動画)

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