ゆく先は雪の吹雪に閉じ込めて雲に分けいる滋賀の山越え(京極為兼)

『ゆく先の道は雪の吹雪に遮られてしまって、まるで雲の中を手探りで進むようだ、滋賀の山越えは』。今日の為兼も旅路の雪だが、降雪の量ではなく吹雪の厳しさが歌われている。しかし随分柔らかいのは風雅集の個性だろう、「雲に分けいる」と幻想を重ねてきた。ところで「滋賀の山越え」とはどの辺だろう? 東海道新幹線でも唯一降雪に行き悩む、あの関ケ原あたりだろうか。

(日めくりめく一首)

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