『月は森の梢に傾くまでになって、薄雪が白く光る夜明けの庭』。月と雪、冷冷たる冬の組み合わせであるが、永福門院が歌えば柔らかくほの暖かさえ感じてしまう。それは薄雪と有明のしわざだろう、まだ冬になり切れていない薄積もりの庭、落ち行く月影の空しさより朝焼けの期待が募る。見事な観察眼であるが、少々美麗が過ぎるかもしれない。
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