一首一会、和歌で知るべし有難さ

去る令和元年の暮れ。ある映画を見たのですが、これが良かったです。ちなみに続三部作が完結した某宇宙スペクタクルではありません(これはこれで満喫しましたが…)。むしろそれと比べるとごく平凡な日常の物語、その名も「日日是好日」です。

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茶道教室を舞台にした先生と生徒の心のふれあい、ご存知の方も多いでしょうから割愛しますが、印象的だったのは以下のやり取り。

犬の絵柄の茶碗を取り出して、、
生徒「ブタ?」
先生「いや、犬でしょ。今年戌年ですもの」
生徒「じゃあ、このお茶碗12年に一度しか使わないんですか?」
先生「そうよ」
生徒「じゃあ、生きている内に3、4回しか…」
先生「そうねぇ」

なるほど、茶道とはつくづく贅沢だなと思いました。たとえその場限りであろうと一席一席に遊びを尽くす、この気構えに感銘したのです。茶道の本分は一期一会の感動、映画のコピーでも謳われていましたが数分の映画によってそれを垣間見れた気がしました。お茶なんて形式に囚われた退屈な芸道だと思っていたが、お茶をやらない私こそが貧しき観念に囚われていたのですね(涙…

さて和歌です。実のところ和歌こそ、一期一会の賜物です。歴々の茶人が和歌を愛したのも一期一会の精神に共鳴したから、言うなれば日本文化はなべて一期一会の感動、その表現方法の差異でしかありません。

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してみた時に、振り返って私には反省すべき点が多々あります。一期一会を軽んじ、古典和歌を大量に浴びては吐くまるで「消費」するがごとく和歌を摂取していたのです。無礼にも類する振舞いです。

和歌には一首一首に物語がある、それが歴史に耐えて今に残る作品ならなおさら。令和二年、私は改めます。古今東西の和歌、一首一首の出会いに感謝し深遠なる物語を味わう、名付けて「一首一会」を実践します!
一首の内容、意味、修辞法。詠んだ歌人、詠まれた背景、前後の歴史との関りさらにそれ以上の探求、しかのみにあらず書いて、歌って、唱和する。願わくばここまでやり尽くしたいと思います。

ということで皆さま、私たち令和和歌所が標榜する「一首一会」にぜひお付き合い頂ければ幸いです。

→「令和和歌所の歌会・和歌教室

(書き手:和歌DJうっちー)