桜咲く遠山鳥のしだり尾のながながし日もあかぬいろかな(後鳥羽院)

よみ人:後鳥羽院 、所収:新古今和歌集

『桜が咲いた。遠くの山鳥のしだり尾のように、なが~くなが~く何日も眺めても見飽きないなぁ』。なんという大らかさだろう。昨日の赤人以上にまったりとした時間が流れている。しかもお気づきのように、百人一首では柿本人麻呂作として採られた「あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」を本歌にしている。なんと見事な万葉ぶり! ではあるが、作者は後鳥羽院なのである。なるほど、本歌取りというには過ぎるパクリかげん、季節感の無視(山鳥は本来秋の景物)そして時間が止まったかのように優雅な自己中心世界、さすが帝王たる詠みぶりである。後鳥羽院には、公家の凋落など関係ない。

(日めくりめく一首)

→「和歌と文人墨客の集い(如月の会)」2/23(日)9:50~11:50