木の葉なきむなしき枝に年暮れてまた芽ぐむべき春ぞ近づく(京極為兼)

『木々の葉はすべて散り果ててしまった。しかし案ずるな、年の瀬を迎え新たなる芽吹きの春はもう目の前にある』。一年を惜しみつつも春への期待感はいよいよ醸成され、だれもがはやる気持ちを抑えられない。
しかしこの一月(睦月)に“年の暮れ”とはいかなる沙汰か? といえば、もちろん旧暦に準じているためである。ただ「年明け」と「春の到来」は厳密には異なる。平安歌人は春を「立春(新暦二月四日頃)」にもとめたのだが、旧暦で「年明け(旧正月)」は雨水の直前の朔日となり安定しない。このため「年内立春」などがもてはやされたのだが、今日の話題ではない。ともかく、年はついに暮れつつある。この「日めくりめく一首」もクライマックスだ!

(日めくりめく一首)

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