『五月雨はやんだのかなぁ? 山に掛かる雲が薄くなってるよ』。小学生の絵日記だろうか? 違う、玉葉集に採られた花園院の御製歌だ。趣向はほとんど似ているが、昨日の歌には山の色に発見があった。今日のはどうだろう、写生というにも恥ずかしい一介の感想文ではないか。このような歌が歌なのか? 歌なのである、いや正確には歌である時代があったのだ。それが京極派が躍動した玉葉・風雅の時代であり、このような単純あらわの歌が新鮮で攻撃性を持ちえたほど、当時一般の詠みぶりは硬直化していたのだ。
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