やまざくら霞のまより ほのかにも見てしひとこそ恋しかりけれ(紀貫之)

似ている。。「山桜」を「若菜」に、「霞」を「雪間」に置き換えてみてほしい。昨日紹介した忠岑の歌と全く同じ構成ではないか。しかしそれでいて、歌から受ける印象は異なる。それが効いているのは「山桜」であろう。この貫之の垣間見の歌からは出会いの衝撃そのものより、チラリとのぞいた女性の美しさがより強く感じられる。それはおそらく高貴な女、決して手の届かない高嶺の花。山桜にはそのように思わせる気高さがある。貫之は恋歌でも掛詞など技巧にはしるタチであるが、この歌の見立ては素直にして分かりやすい。そしてなにより美しい。

(日めくりめく一首)


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