『秋の名残を深く惜しんで眺めただろうに。今朝、木の葉に嵐が吹かなければ』。昨日の宗于の呑気が罪であるほど、まるでオー・ヘンリー、今日の歌には儚さを感じる。いったいなぜ、木の葉一枚にこれほどの切迫感を込めるのか。たとえ秋は尽きようと、新しい冬をどうにか楽しめばいいではないか? それは出来ない相談だ、理由は「花」。歌人たちにとって命と変わらぬかけがえのない存在である花が、冬という季節にはないのだ。青息吐息のこの季節いかに彼らが乗り越えるか、これから鑑賞を続けよう。
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