「新古今HAKA集」と後鳥羽院

ラグビーW杯で日本代表が獅子奮迅の活躍を続けています。
昨日(10/6)のサモア戦は38―19で勝利、なんと開幕から3連勝で史上初の8強入りも夢でなくなってきました。

ところでラグビーと言えば、ニュージーランド代表が試合前に披露する「ハカ」も話題の一つですよね。チーム一丸で迫りくる踊りと表情に圧倒されますが、なにも闇雲に威嚇しているわけではありません。一つひとつの踊りにはタイトルも歌詞もちゃんとあるのです! と、偉そうに言っておりますが、私も「ハカ」についてほとんど知りません。

そういう方に「ハカ」を知る最適な動画があります、その名も「新古今HAKA集」!
ニュージーランド代表が舞う「カ・マテ」「カパ・オ・パンゴ」など5種類のハカを見ることができます。

この動画を見たうえで、私には疑問が湧きました、、、
なぜ「古今HAKA集」ではなく、「新古今HAKA集」なのだろうかと!

古今、後撰、拾遺の三代和歌集ならびにもろもろ飛び越して一足飛びに八代目の新古今を動画のタイトルしたのはきっと訳があるはずです。それはなにか……?
ちなみに「ハカ」という内容からして、手弱女の系譜たる「新古今」ではなく、益荒男の「万葉集」のほうが合致している気もします、、、

で、私なりに回答を見つけました。それは撰進させた人物の存在です。
そう、その名は「後鳥羽院」!!

後鳥羽院は文武両道でスポーツにも長じ、相撲なども好んで行いました。まして承久の乱で鎌倉に喧嘩を売った豪の人、歴々の天皇と比べると最も「ハカ」の精神に通じていると思います。
よってあの動画のタイトルも「新古今HAKA集」こそが最も相応しいのです。

いや~、今回のW杯はラグビーを知らない人間にとって、素晴らしい学びの機会となりましたね。日本代表の活躍が今後も楽しみです。

(書き手:歌僧 内田圓学)

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