既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その9「涙の河」

古今和歌集 恋一【527】「涙河枕なかるるうきねには 夢もさたかに見えすそありける」(よみ人しらす)
古今和歌集 恋一【529】「篝火にあらぬわか身のなそもかく 涙の河にうきてもゆらむ」(よみ人しらす)

—————-
この涙はなぜ流れるのか?

あのひとに逢えない悲しみ、叶わぬ恋への絶望、それとも己の無力さに嘆いてか?

例えでもなんでもなく、涙が河のように流れ留まらぬ。

夢さえも確かに見えない有様だ。

この涙の河に浮かんでも、恋の心は燃え続けている。

(書き手:歌僧 内田圓学)
→関連記事「既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~(総集編)
IMG_3681

和歌の型(基礎)を学び、詠んでみよう!

代表的な古典作品に学び、一人ひとりが伝統的「和歌」を詠めるようになることを目標とした「歌塾」開催中!

季刊誌「和歌文芸」
令和六年秋号(Amazonにて販売中)