既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その8「儚さの極致」

古今和歌集 恋一【522】「ゆく水にかすかくよりもはかなきは おもはぬ人を思ふなりけり」(よみ人しらす)


あの女を思い始めて何日立つだろう。

10日、20日、30日、、、ゆうに100日は経っただろか?
数を書いてみよう。
紙ではなく水面に。

ふっ、そんなあやない事をしてどうしようというのだ。
描いた刹那、虚しく消えてしまうというのに。

それにもまして儚いのは、思ってくれない女をこうして思い続けることよ。

(書き手:歌僧 内田圓学)
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