既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その9「涙の河」

古今和歌集 恋一【527】「涙河枕なかるるうきねには 夢もさたかに見えすそありける」(よみ人しらす)
古今和歌集 恋一【529】「篝火にあらぬわか身のなそもかく 涙の河にうきてもゆらむ」(よみ人しらす)

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この涙はなぜ流れるのか?

あのひとに逢えない悲しみ、叶わぬ恋への絶望、それとも己の無力さに嘆いてか?

例えでもなんでもなく、涙が河のように流れ留まらぬ。

夢さえも確かに見えない有様だ。

この涙の河に浮かんでも、恋の心は燃え続けている。

(書き手:歌僧 内田圓学)
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