荻の葉に言問ふ人もなきものを来る秋ごとにそよと答ふる(敦輔王)

よみ人:周防内侍 、所収:詞花和歌集

昨日、荻と秋風は組み合わせて詠むものだとご紹介したが、実はもう一つのお約束が荻にはある。それが「そよ」だ。お察しがつくと思うが、穂が風に靡くさまのオノマトペ(擬音)である。これを「そうよ」つまり「同意」の意として合わせ詠むのが和歌では常套なのだ。今日の歌の意であるが、「秋」には「飽き」が掛けられているから、恋人の訪れが絶えた事実を認めたくない女に、荻が「そうよ」と諭す内容になる。
確かに崇徳院の荻にも「そらや」という同類の言葉があった。思へば和歌とは予定調和の監獄、没個性の大量生産ではないか。このような文芸に如何なる価値があるのだろう?

(日めくりめく一首)


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