『夕立の雲を飛び分けてゆく白鷺、その翼に雲を引っ掛けて太陽が見え出した』。花園院の写生歌、と言いたいがおそらく実景ではなかろう。夕立を降らせた白雲の名残、そこを飛びわたる白鷺に照り始めた太陽! おそらく院が思い描く理想的な夏空が描かれている。ところが、あまり良くない。なんとなれば言葉を詰めすぎなのだ。「飛びわくる」もしくは「翼にかける」このどちらかで十分、太陽を誘い込む白鷺の形容は成し遂げられるだろう。
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