堰きとむる山下水にみ隠れて住みけるものを秋の景色は(法眼実快)

よみ人:法眼実快 、所収:千載和歌集

今日の歌も昨日の俊恵の趣向に近い、法眼実快というから詠み人もおそらく同じ坊主であろう。しかしちょっと面白いので取り上げてみた。なにかといえば結句の余韻である。『堰き止めた山かげを流れる水に見え隠れして住んでいたものを、秋の景色は…』。って、その続きなに!? とツッコミを入れたくならないだろうか? 実はこれ、見え隠れして住んでいたのは詠み人ではくて「秋の景色」なのである。ようするに結句と四句を倒置して、秋の景色を擬人化すべきなのだ。すると『涼しい山下水に見え隠れして、秋の景色が住みついているんだなぁ』となって、情趣あるおもしろい歌になる。

(日めくりめく一首)


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