小野小町という人は、いつどこでも小野小町だ。ふつう古今なら古今、新古今なら新古今と採られた集によって相応しい歌が採られるものだが、小町にはそれがない。いつもしのび泣きに袖を濡らしている。しかも恋部でも四季部でも、秋でも春でも変わりがないのだから、驚きの安定性だ。『吹いて露を結ぶ風は昔と変わらないが、私の袖の露(涙)は昔と変わってしまった』。確かにこの詠みぶりこそ和歌の王道であり、私も決して否定しない。しかし常にこんな調子だから、「卒塔婆小町」のような演目のネタにされてしまった。
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