恋がはじまる季節といえばいつだろう。情熱燃え盛る夏、感傷深まる秋、ゲレンデのアバンチュール冬。どれも違う。どう考えたって春じゃないか。この歌は春、運命的な女性との出会いのシーンをとらえた歌だ。雪の間から生えくるあの若草のように、ほんの一瞬見えた君、衝撃のチラリズム! 誰にもあるだろう、一目惚れの瞬間が見事に歌われている。この歌が活きているのは「若菜」である、この言葉ひとつに我々は青春の初々しさを思うのである。この歌に共感できない人間がいるならば、きっとまっとうな恋をしてこなかったのだろう。
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