かきくもり天ぎる雪の古里を積もらぬ先に問ふ人もがな(小侍従)

よみ人:小侍従 、所収:新古今和歌集

今日の歌は雪中を行く人ではなく、待つ人が描かれている。『空一面が曇って雪が降る古里を、積もる前に訪れる人があればなぁ』。「かき曇る」と「天ぎる」はともに空一面の闇を意味する、もちろんそれだけの雪空を強調しているのだが、待ち人の心情も表していよう。「古里」と聞くと生まれ故郷を思うかもしれないが、和歌では多く馴染みの土地を示す、つまりそこには一人、愛する人を望む暗澹たる女がいるのだ。

(日めくりめく一首)


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