いろいろに穂向けの風を吹きかへて遥かにつづく秋の小山田(阿仏尼)

『稲穂を吹き返す一陣の風。今にも刈り取られんばかりの豊かな田園はずっと先まで続いていて、(私の旅路に色を添えてくれているようだ)』。風もそして心まで晴れやかな秋の羇旅のワンシーンを思い起させる歌、詠み人は阿仏尼である。ただ、あの「十六夜日記」の旅は旧暦の十月十六日に始まっており季節が僅かに合わない、まして訴状を携えて行く旅は歌の様な心境では決してなかっただろう。しかし今日のような歌をみても、阿仏尼という人の不羈独立の気風が伝わってくる。

(日めくりめく一首)

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