なるほど、凡作である。波と春が「立つ」という、立春歌“あるある”で構成された、ほとんど見どころがない歌だ。しかしこの歌の作者はだれあろう、かの権中納言藤原定家卿である。所収は彼の「初学百首」、御大二十歳の作とはいえ、後の紅粉青蛾なる達磨歌を思うとずいぶん肩透かしをくらった気分だ。しかし一方、私たち平俗の歌人には一筋の希望となろう。天才は一日に成らずということだ。
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