月次会歌合せ「長月の歌」

去る9月23日に催した「和歌をつくろう」(長月の歌合)にて詠まれたお歌をご紹介します。
お題は「月」「虫」「菊」でした。

はじめての方もお気軽にご参加ください

雨上がり彼岸詣での童べの はろふ小路の野菊を手向け 皐鳩
秋の夜の半ばの月の影もなほ あらはれわたる光待ちつつ しらき
客人も感じ入りたり虫の聲 秋の名月米屋のおかみ 皐鳩
ひさかたの雲のとばりも隠しあへず 秋の面影しくものぞなき うっちー
菊の花こめし枕にうつし世を わすれ眠らむあさく恋はねば
見上ぐれば涼風至る時も過ぎ 草葉の白露置くや月影
なにし負はば秋夜にうかぶ空鏡 影を浮かべむ彼の地の人を おの
夕暮れの秋風ゆれてうたたねの 夢のなかにも虫の声かな しらき
ゆふばへのやみにとめおくひとひらの みずをとどめぬあさのまよつき ちば
菊の月風吹きつく秋空に 貫き留めぬ玉ぞ散るかは
うたた寝の耳に残れる虫の音 絶ゆるとき待つ長月の宵 おの
菊の香にのせるを待ちて朝露の 今は消ぬべき秋の訪れ しらき
松虫のたへぬこえするくさむらへ 魂は往にけりひとを兼ねつつ
群雲の絶え絶え間に星見えて 月のいるさを光いざなふ
さし込める籬の風の冷えさびて 霜の白菊月やどるらし うっちー
返り路にひとり聴く夜の虫のこえ 過ぎぬ暑さは年のおかしき
暮れ果ててさりとてやまぬひぐらしの 虚しき空は星の夕暮れ うっちー
あしひきの秋月濡らす宵なれど 山末影にうぐひす鳴きぬ

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