さて年もあらたまり、恒例の鎌倉散策に出かけて来ました(といっても二回目ですが…)。
前回は春真っ盛り、桜満開の散策は見応えたっぷりでした。
→関連記事「北鎌倉の桜散策 ~実朝を探して~」
しかし今回は新春とはいえ冬枯れの季節、果たしてどんな景色に出会えるのか!?
期待と不安が入り混じるなか、鎌倉散策スタートです。
※散策日:2018年1月10日
まず訪れたのは、前回も足を運んだ円覚寺、
そこで目にしたのは…
「花も紅葉もなかりけり!!」
まあこの時期ですから当然ですが、前回圧倒された桜満開の参道とは雰囲気がまるで違います。
円覚寺は鎌倉五山第二位の禅寺です。と考えると、、むしろこの寂れた感じこそがあるべき姿なのかもしれません。
春の桜、初夏のあじさいで有名な「月明院」も同様です。
花の参道もこの姿…
でも山門を裏からご覧ください。
冬の草花が彩りを飾っているではありませんか!
なんて風流なんでしょう。
次いで、またも来ました「鶴岡八幡宮」。
朽ちた大銀杏の右手には新しい命が守られています。
「がんばれ大イチョウ!」。私も小さくつぶやきました。
ご覧ください、これらはハトでありません「カモメ」です。
実朝にとっても、カモメはとっても身近な存在だったんでしょうね。
「かもめゐる 荒磯の洲崎 潮みちて 隠ろひゆけば まさるわか恋」(源実朝「金槐和歌集」より)
→関連記事「源実朝 ~甘えん坊将軍、鎌倉の海に吠える~」
さて、ここまでは前回と同じ散策ルートでしたが、以後は違います。
地元鎌倉をこよなく愛する“S様”にご案内頂き、鎌倉の穴場?スポットを巡りました。
鎌倉五山のひとつ、「浄妙寺」です。
ここでは素晴らしい出会いがありました。
なんと老梅に花がほころんでいたのです、それもただ一輪。
知らないうちに、春は来ていたのですね。
これは歌を詠まずにいられません。
「消えあえぬ 雪の名残と 眺むれば 寒しき枝に 花ぞ咲きける」(うっちー)
「冬知らぬ 鎌倉人は 梅が枝の 白きを見れば 雪ぞやと見る」(うっちー)
そして“S様”おすすめのナンバーワンの「荏柄天神社」。
なんと、ここにも春はありました。しかもほの赤い春が。
札には「鎌倉一早咲き 寒紅梅」とありました。
調子に乗ってもう一首…
「冬ながら 春のここちを たどふれば 絵柄の社 花ぞ咲きける」(うっちー)
思いがけず梅の花、しかも紅白両方を目にすることができるなんて、
私はなんて幸運なんでしょう!
いつ来ても風流を感じさせてくれる、やはり鎌倉は素晴らしい場所です。
(書き手:歌僧 内田圓学)
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