これぞ京極派! というべき手本のような歌だ。『桜の花びら、そのうえにやわらかく夕日が差す。それは束の間、日は瞬く暮れてその影は消えてしまった』。微妙で繊細、京極派が歌わなければだれも気づかなかったような美。これを行き詰まりのトリビアリズムと蔑むか? 私はそうは思わない。なぜなら心に訴える匂い、光そして余情を宿している。単なる写実歌ではこうはいかない、穏やかにかつ激しく美を望んだものだけが得られる極致だ。そしてこの歌にある優しさの裏にある儚さは、桜の終わりを静かに予感させる。
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