和歌に登場する景物はその類型化が徹底している。これまでご紹介した「女郎花」や「薄」などによっても、それが如実に分かったはずだ。「藤袴」の場合、名前と特徴がそれを決めている、つまり着物の「袴」とポプリにした強い「芳香」を詠むのが常套なのだ。『だれが来て(着て)脱いでいった袴(藤袴)だろう、毎年秋になると野辺を匂わす』。「袴」と「匂い」とを見事に両方詠み込んだ、まさに教科書のような一首だ。いったい誰の仕事だろうと思えばやはり直球男の藤原敏行であるが、むしろ敏行こそが教科書を作ったとも言える。
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