雪ふりて人も通はぬ道なれやあとはかもなく思ひ消ゆらむ(凡河内躬恒)

昨日と同じで今日も待ち人の歌。しかし和歌で待つといえばほとんど叶わぬ虚しき夢だが、これが雪で冷たく閉じられた里である、もう絶望的だ。『雪が降って誰一人通わない道だから、私の思いなど跡形もなく消えてしまうだろう』。詠み人は...

見どころ解説! 英雄たちの選択 正月スペシャル「百人一首~藤原定家 三十一文字の革命~」

もういくつ寝ると♪ お正月ですね。お正月といえば凧あげコマ回し、そして何と言っても百人一首! ということでなんと、新春1月4日(土)19時よりBSプレミアムにて百人一首のスペシャル番組が放送されます。タイトルはずばり、英...

かきくもり天ぎる雪の古里を積もらぬ先に問ふ人もがな(小侍従)

今日の歌は雪中を行く人ではなく、待つ人が描かれている。『空一面が曇って雪が降る古里を、積もる前に訪れる人があればなぁ』。「かき曇る」と「天ぎる」はともに空一面の闇を意味する、もちろんそれだけの雪空を強調しているのだが、待...

私を突き動かす「胸熱」の言葉

私みたいな無精な人間が、飽きもせずに和歌を探求しているのには理由があります。それは憧れの先輩が“私のため”に残してくれた「胸熱」の言葉が後押ししてくれるのです。今回はその一部をご紹介しましょう。 『胸熱』の言葉 その1 ...

駒とめて袖打ち払ふ影もなし佐野の渡りの雪の夕暮れ(藤原定家)

『馬をとめて袖に積もった雪を払う物陰もない。雪が降り続く佐野の渡し場の夕暮よ』。馬を引き連れた雪中の旅、一幅の水墨画のように静かなるモノトーンが描かれている。しかし惜しむらくは結句、「夕暮れ」である。この旅愁が特に夕暮れ...

ゆく先は雪の吹雪に閉じ込めて雲に分けいる滋賀の山越え(京極為兼)

『ゆく先の道は雪の吹雪に遮られてしまって、まるで雲の中を手探りで進むようだ、滋賀の山越えは』。今日の為兼も旅路の雪だが、降雪の量ではなく吹雪の厳しさが歌われている。しかし随分柔らかいのは風雅集の個性だろう、「雲に分けいる...

見わたせば松の葉白き吉野の山幾夜積もれる雪にかあるらむ(平兼盛)

今日の歌にも吉野の雪が詠まれている。しかし先日の初雪の風景とは随分様子が変わってしまった。『見渡してみると松の葉まで白く埋もれている。いったい幾夜、吉野山に雪は降り続けたのだろう』。松葉に雪がこんもり乗っかっている風景に...