既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その29「裏切り」

706「大幣の ひくてあまたに なりぬれば おもへどえこそ たのまざりけれ」(よみ人しらす)
714「秋風に 山のこのはの うつろへば 人の心も いかがとそ思ふ」(素性法師)
715「蝉のこゑ 聞けばかなしな 夏衣 うすくや人の ならむと思へは」(紀友則)

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あの人は裏切った

ただそれだけ

夏衣が薄いように

木の葉の色が変わるように

至極当然のなりゆき

私は愚かな道化の一つ

人生に確かなものなど

決してないのだろう

あるとすれば

この怒り、虚しさ

いや

惨めな自分だけ

(書き手:歌僧 内田圓学)
→関連記事「既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~(総集編)
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