白露や心おくらむ女郎花いろめく野辺に人かよふとて(藤原顕輔)

かくも女郎花は愛されていた。女郎花から「女」への連想はついぞやまず、平安時代を渡って男たちは妄想と思慕を続けてきた。ちなみに奈良時代の万葉集では、女郎花にこれといって女を見ていないから面白い。今日の歌は金葉集から顕輔による。野辺のアイドルには言い寄る男も数多、それを心配してか白露は、露だけでなく心までも置いたのだろうか? 客観視点であるが、女郎花への憧れは変わらない。

(日めくりめく一首)

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