白露や心おくらむ女郎花いろめく野辺に人かよふとて(藤原顕輔)

かくも女郎花は愛されていた。女郎花から「女」への連想はついぞやまず、平安時代を渡って男たちは妄想と思慕を続けてきた。ちなみに奈良時代の万葉集では、女郎花にこれといって女を見ていないから面白い。今日の歌は金葉集から顕輔による。野辺のアイドルには言い寄る男も数多、それを心配してか白露は、露だけでなく心までも置いたのだろうか? 客観視点であるが、女郎花への憧れは変わらない。

(日めくりめく一首)

和歌の型・基礎を学び、詠んでみよう!

オンラインで和歌の型・基本を学び、自身で詠み、月次の歌会で仲間と高めあう「歌塾」開催中!

季刊誌「和歌文芸」
令和七年春号(Amazonにて販売中)