昨日こそ秋は暮れしかいつのまに岩間の水の薄氷るらむ(藤原公実)

よみ人:藤原公実 、所収:千載和歌集

立春から毎日一首ずつご覧頂けているならば、今日が「立冬」となるはずだ。和歌の四季もいよいよ最後である。
さて、春は「うぐいす」、夏は「ほととぎす」そして秋は「風」で知った四季の変わり目、冬はなんであろうか? 正解は「氷」であった。『昨日秋が暮れたばっかりだってのに、いつの間にか岩間の水が氷ってるよ』、歌は千載和歌集から冬部の一番歌である。立秋の歌々には言葉じりから新しい季節への期待感が滲み出ていたものだが、今日の歌にはそのような感情は皆無。しかしこれが「冬」という季節に対する平安歌人の偽りない本意なのである。

(日めくりめく一首)

→「和歌と文人墨客の集い(如月の会)」2/23(日)9:50~11:50