岩間には氷の楔打ちてけり玉ゐし水もいまは漏りこず(曽根好忠)

よみ人:曽根好忠 、所収:後拾遺和歌集

なんと残酷な季節だろう、花はおろか水さえも失せる冬という季節は。『岩間に氷の楔が打ち込まれたようだ、水滴も今は漏れてこない』。折々の花に心を寄せた平安歌人、森羅万象が氷に閉ざされてしまった今、いったい何を歌えばいいのか? その答えがこれだ、「何もない。でも美はある」! そう言い立てんがごとく氷の楔を示す。案ずるまでもなかった「見る処花にあらずといふ事なし」ということだ。

(日めくりめく一首)


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