紅葉が映える川はなにも「竜田川」だけではない、今日の歌にある「大井川」も名だたる名所のひとつだ。嵐山の麓を流れ宇多、醍醐を始め歴代の天皇らの行幸を誘った。古都奈良の西を流れる竜田川より、平安の都人にはむしろ大井川こそ最も愛すべき景勝地であったに違いない。今日の詠み人は白河院、さすがと思うのはたんに「嵐山に来て紅葉を見る!」というだけの歌を成立させてしまうその風格だ。紅葉に染る悠久の流れに思いを馳せて、まさに感無量の思いが伝わってくる。
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