今日ごとに今日や限りと惜しめどもまたも今年に会ひにけるかな(藤原俊成)

老いの、いや人生の境地とはこういうことかもしれない。『来る日も来る日も今日が最後かもしれない、なんて惜しみながら過ごしてきたけれど、どうにかまた新しい年に会うことができた』。いつでも今日が最後であるかのように、毎日をただただ生きる。もし明日に出会えたら、それはきっとラッキーなんだ。誇張でも何でもなく、この観念は人生の真理だろう。そしてこのように思えた人間のみが、幸福という正しい虚しさを理解できるのだ。
さて、ついに年は明けた。四季は一巡し、ようやく新たなる春との対面を果たせた。これにて日めくりの歌も完結である。

(日めくりめく一首)

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