気持よく晴れた日、空高く雲雀が鳴いている。のどかな春の情景であるが、私はひとり物悲しい。作者は大伴家持、様々な政争に巻き込まれ解官をも経験するが、この歌の孤独はその時のものではない。地方官を歴任し、家持にとって孤独とは人生そのものであった。しかし彼の独泳歌からは悲壮感はほとんど感じ得ない、むしろ閑居養志というような前を向く意志を感じる。今日の歌もそうだ、心悲しくも新たな季節を見据えた遠望の情がある。
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