真萩ちる庭の秋風みにしみて夕日の影ぞ壁に消えゆく(永福門院)

例によって適訳不要の歌、永福門院である。「散る萩の花」、「秋風」、「夕日」… 情趣を誘う秋の景物がこれでもかと詠まれている。ただ自然体を理想とする彼女にしては少々演出過剰ではないか? しかも結句「壁に消えゆく」など鼻につきかねない。思うにこれは写生歌ではない、秋という季節に何とはなしに感じ入ってしまう心の表われなんだろう。土壁に夕影がすうっと消えてゆくように、秋の風情は静かに心へと沁み込んでゆく。

(One poem that turns every day)

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