『私のためと聞いてもいいだろうか? まだ主が定まらないホトトギスの初音を』。初音といえばミクではなくて「鶯(うぐいす)」であるとご紹介したが、まあこのようにホトトギスに使っても構わない。鳥であれ花であれ風であれ! 時節の初物はなんだって有り難いものだったのだ、このへん中世の貴族と江戸っ子はなんら変わらない。
さて歌であるが、なんとももどかしい。結局だれのものでもない鳥の音であるのに、なぜことさら控え目な態度でそれを聞いているのか。詠み人は冷泉為相、今に残る冷泉家の祖であるが、同じく御子左家から分かれた二条、京極の後塵を大きく拝することになったのは、この慎ましさが仇になったかもしれない。
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