和歌における恋のテーマ・歌題その3「初逢恋(はじめてあふこひ)」

「初逢恋(はじめてあふこひ)」は、長く思い続けた人と初めて契りを結ぶことを内容としています。ここに恋は絶頂を迎えるのですが、和歌で花の盛りがほとんど詠まれないように、恋においてもはじめて結ばれた喜びを詠むというより、これ...

和歌における恋のテーマ・歌題その2「忍恋(しのぶこひ)」

「忍恋(しのぶこひ)」とは恋の初期段階における心で、恋する相手に知らせず、また周囲にも知られずに、密かに自分の中にだけ思いをとどめおく恋のことです。これは恋愛における男性の基本態度、いわゆる恋の「男歌」となります。 それ...

和歌における恋のテーマ・歌題その1「初恋(はじめたるこひ)」

「初恋」は「はつこひ」ではなく「はじめたるこひ」と読みます。すなわち『人生初めての恋』にかぎらず、ある人物との『恋の最初の段階』で詠まれるのが「初恋」の歌ということになります。たとえば、心に芽生えた淡い思いを詠んだ歌、そ...

「和歌文芸」令和六年冬号 ~令和のあたらしい和歌と和歌文化の様々な表現~ (Amazonにて販売中)

令和和歌所は二条流を受け継ぎ、初代勅撰和歌集である古今和歌集を慕い、平明で温雅という和歌の王道を、新しい心で詠み継いでいます。本書は月次歌会「あかね歌会」で詠まれたくさぐさの歌を、季ごとにまとめた季刊誌です。また「和歌文...

一首探究「袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」(紀貫之)~貫之の名誉を回復する~

和歌の復興を成し遂げるうえで、どうしてもやらなければならない仕事がある。それは「紀貫之の名誉回復」だ。さかのぼれば定家にもみえる貫之批判だが、 むかし貫之、歌の心たくみに、言葉強く姿おもしろきさまを好みて、余情妖艶の体を...

一首探究「月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして」(在原業平)

歌の背景と恋の物語 「月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして」(在原業平) 業平を語る上でけっして欠かすことができない一首。古今集恋五の巻頭を飾り、伊勢物語の第四段にも載るこの歌には、長い詞書が添えられて...