古今和歌集 恋一【542】「春たてはきゆる氷ののこりなく 君か心は我にとけなむ」(よみ人しらす)
古今和歌集 恋一【545】「夕されはいととひかたきわかそてに 秋の露さへおきそはりつつ」(よみ人しらす)
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あの人を垣間見た春から、季節はもう秋になった。
恋の物思いに耽っていると、四季の巡りが早く感じられる。
相変わらず夕方ともなると、涙で袖は濡れに濡れる。秋露が付いたのだろうか?
来年の春には氷が残りなく溶ける様に、あの人の心よ、どうか私に溶けてくれ。
(書き手:歌僧 内田圓学)
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