668「わかこひをしのひかねてはあしひきの山橘の色にいてぬへし」(友則)
669「おほかたはわか名もみなとこきいてなむ世をうみへたに見るめすくなし」(よみ人しらす)
671「風ふけは浪打つ岸の松なれやねにあらはれてなきぬへらなり」(よみ人しらす)
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忘れる苦しみ
忘れられない苦しみ
幾度も寄せは返す慚愧の波
恋が私に残したのは
夜の海原のようなどこまでも暗く深い苦悩だけ
もう限界だ
噂が立っても構わない
私は自由になりたいのだ
この海原を漕ぎ出して
あの山橘のように
(書き手:歌僧 内田圓学)
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