私、春が大好き!
雪間から若菜が芽吹き、初々しいさえずりが響く。
全てが真新しくなる希望いっぱいの季節、それが春!
春になれば何かが変わるって、ずっと信じてた。
そして、それは本当に始まったの。
●2月4日「はつかに見えし君」
一目ぼれ。
私がそんなことなんて、絶対ないって思ってた。
今でも信じられない、、なぜって…
あの人を見たのはほんのわずかだった
そう、雪の間をかきわけ生えてくる
春の若葉の様に!
ほんの僅かに見えただけだったのに
思い出すだけでドキドキしてる
478「春日野の 雪間をわけて 生ひいてくる 草のはつかに 見えしきみはも」(壬生忠峯)
●2月5日「ほのかにも見てし人」
好きになるって、こんな簡単だったんだ
だって、いままで付き合った時だって
自分から好きになったことなんてなかったから
でもそれは、本当に好きになる人がいなかったってだけ
だってあの人は
霞で隠されている遠くの山桜が、その霞の間からほのかに見えたように
ずっと遠くでかろうじて見えたって感じだったのに
こんなはっきり心に残ってる
479「山さくら 霞のまより ほのかにも 見てし人こそ こひしかりけれ」(紀貫之)
●2月10日「音に泣きぬ」
ああ、泣きそう!
彼のことをちょっと思っただけで
まじで、まじで泣きそうなの
うちの庭の、他より少し伸びた梅の枝でウグイスが鳴くように
わたしも声をあげて泣きじゃくりたい
そんな恋をしているの
498「わが園の 梅のほつえに 鶯の ねになきぬべき 恋もするかな」(よみ人知らず)
つづく…
(書き手:歌僧 内田圓学)
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