雪ふれば木ごとに花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし(紀友則)

このような歌を「呆あきれ返つた無趣味」と蔑もう、明治の自称革新的な歌人たちは。そのまま取ると『木々に雪が降って、梅の花と見分けがつかない』という趣向だが、狙いは「木」と「毎(ごと)」つまり偏と旁を合わせて「梅」が咲くという文字あそびにある。くだらないだろうか? 全くそう思わない。春を望む一途な心、今日の歌にも変わらぬ歌人の本分が顕れている。

(日めくりめく一首)

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