これまで鑑賞してきたように、「千鳥」はその見た目や動作から儚く頼りないものという意味を二義的に持つ。春夏秋、他の渡り鳥たちのような季節の到来を知らしめる存在感は皆無だ。だからこそ、今日のような歌が沁みてくる。『浦松の葉ごし見える月』と『妻の元へ帰る千鳥』、それが冬の海岸の夜明けの仄白さにオーバーラップする情景。一枚の絵なんていう御仕着せの評価で足りなければ、まるでロマネスクの麗しさだ。
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