風吹けば柳の糸のかたよりになびくにつけて過ぐる春かな(白河院)

万葉集では、例えば梅やうぐいすなどと取り合わせるなど、多様な詠まれ方がされた柳だが、貫之がそれを糸に見立てて以降、柳は必ずそう詠まれるものとなった。今日の歌もその一つである。詠み人はなんと白河院。「賀茂河の水、双六の賽、山法師」これらをのぞけばすべてが思いのまま、いわゆる治天の君として知られる。和歌など文芸に親しむイメージは薄いかもしれないが、「後拾遺集 」「金葉集」の二つを撰進させている。しかも金葉集は二度もちゃぶ台返しするなど、かなりのこだわりようだ(なので金葉集には三系統の伝本がある)。その撰者は源俊頼、後鳥羽院のように編纂にガンガン加わるボスも困るが、白河院という絶対権力者からのプレッシャーはいかばかりであったか。サラリーマン経験が長かった私としては身につまされる。

(日めくりめく一首)

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